先日電車に乗っている時に、普段なら本とかを読んでるんですが、その日はちょっと覚えたいものがあったので、それをブツブツと暗誦してました。
でも集中力が続かなくて、周囲の人の様子とか話し声とかで集中が途切れてしまうんです。本当に集中している時は、周囲のことなんか全然気にならないのに。それで自分の集中力が落ちていることに気づきましたねー。
結局、その後、集中力を取り戻しましたが、日々の練習が大切なんだなと痛感しました。
一つのことに集中できないというのは、それだけ自分の内部で色々なノイズ・雑音が起こりやすいということでもありますし、一つの思考に集中できないということは感情などが思考と分離できていないということでもあります。これがリーディングなどでどれほど邪魔になることかは以前にちょっと触れました。
ところで、英語でFULL ATTENTION、UNDIVIDED ATTENTIONという言葉がありますが、これはその人・事に全神経を集中しているという意味です。
日常生活のなかで、自分がどれだけフル・アテンションをしているかをちょっと見直してみると結構愕然とします……。
職場だったら、自分が手元の仕事をしていても誰かがやってきて何か言われることってありますよね。上司から指示が出たとか、部下が相談に来たとか。その時に手元の仕事を中断しても、その相手にフル・アテンションを払うことはとても難しいと感じることも少なくないと思います。
でも、優秀な人は自分の仕事を中断しても相手にフル・アテンションを払うことが出来るのです。仮に自分の手元の仕事がとても複雑な事柄であったとしても、です。そして相手との用事が終わったら、自分の仕事にサッと戻れる。これは理想的です。
或いは家庭において、自分が台所で忙しくしている(てんぷらを揚げてるとか?)時に小さな子供が寄ってきて、何かしてくれ!と言ってくるとしましょう。その子供にもよりますが、大人の邪魔を頻繁にする子供は、普通、アテンションが欲しいのだと思われます。要するに、私を見て! 親とのココロや体の接触が欲しい!ということです。
でも、その時に、「今忙しいんだからあっちに行ってて!」としてしまうと、子供は拒絶されたと感じるでしょう。
そのような時に、ちょっとだけでも子供にフル・アテンションをしてあげられたら、子供は安心して、やがて離れていくでしょう。必要ならギュッとしてあげるだけでも十分なのかも知れません。
中途半端なアテンションを15分与えるより、100%のアテンションを3分与えるほうが、結果的には子供の精神安定のためにもよいでしょうし、効率的でもあると思います。
どうしても手が離せないなら、出来るだけ早くするから、ちょっと待ってと伝えて、それを必ず、必ず実行することも大切だと思います。後でね!と言って、それを実行しないと子供から信頼を得ることが出来ませんから。それを毎回必ず実行していたら、自分が本当に手が離せない時に、信頼して待つ、ことが出来るようになるでしょう。
今の瞬間自分がやらなくてはいけない(と思っている)ことの重要性と、自分にとっての自分の重要性を比べてみてもいいかも知れません。
夫婦の間でもそうでしょう。以前に書いた男女のコミュニケーション
の違いというところもありますが、相手にフル・アテンションを払うことによって、相手との時間が限られていたとしても、コミュニケーションの全体的な質は
向上すると思います。そうしたら、お互いに相手が話を聞いてくれた、わかってくれた、シェアできた、と感じて、お互いにハッピーですものね。